下町にある畳屋の娘、翼。
20歳を目前に、自分の将来について、少しずつ真剣に考えはじめていた。
学校やアルバイト先ではリクルートスーツも増え、友達との会話の中にも「就職」や「進路」という言葉がちらほら。
これからの色々な可能性を前に、迷ってしまう。

そんな時、いちばん身近な社会人として、普段、あまり口を聞かない父を意識するようになる。
もくもくと仕事に打ち込む、父のブレない姿に、自分もそうありたいと心に誓う。
そして、たどり着いたのは、子供の頃からの夢、女優になることだった。
雑誌の、とある告知に目がとまる。
それは映画のヒロインを決めるオーディション。
思いきって受けようか悩んでいると、ふと、父の姿が浮かぶ。
職人気質で、いつでも自分のやり方を曲げず、取引先ともやり合う、まっすぐな姿。
翼は、夢への一歩を踏み出し、ブレずに進んでいくことを心に決めた。







